2020年5月17日日曜日

妄想:アフターコロナの公園緑地(編集途中)

 39県では緊急事態宣言が解除され、北海道でもまだまだ油断ならないとは言え、感染者数は徐々に減りつつある。緊急事態宣言が解除されても、多くの自治体では県をまたいで移動しないように、と自粛要請をしており、今後の観光や登山への影響は計り知れない。まだ考えがまとまっていないが、どのような変化が起きそうか、妄想してみた。あくまでも個人的な考えですので、ご理解ください。ご意見、コメントをいただけると助かります。

観光客・登山者の行動の変化
 観光客を含め、登山者は、山岳医療救助機構が行ったアンケート調査の結果なども踏まえると、近距離、マイカー移動、テント利用、マイナールート利用などが増加する。平日利用も増えて分散して欲しいが、雇用状況は以前と激変はしないので変化は期待できない。学校の夏休みの短縮により夏休み利用は減るだろうが、逆に短くなった夏休み、お盆前後での集中が懸念される。
 これまでよりも、より低密度な空間が望まれるようになる可能性がある。利用規制を検討している地域には追い風か。逆に対応が遅れるところは敬遠される可能性がある。

登山者の行動・意識変化による影響
 以上の変化から、都市近郊の公園、低山の混雑、駐車場の混雑・不足、野営地の混雑・不足、マイナールートへの分散が考えられる。それにより、これまでになかった場所で路上駐車、野営地周辺の踏みつけ、し尿の散乱、マイナールートでの遭難・救助要請の増加が起こるかもしれない。大雪山では、トムラウシ、十勝連峰、愛山渓温泉、東大雪などは要注意か。
 需要は減少しない。特に外出自粛の解除(公式に解除と言える時点がいつか不明)のあとで、在宅していた人々の観光・登山の欲求を満たそうと爆発的に利用が増える場所も考えられる。継続した一定の利用よりも、短時間の集中的な利用の方が、自然環境へのインパクトは大きい。高山帯、湿原、希少動植物の生息・生育地では特に注意が必要。

管理者の対応
 国立公園の関連施設の管理者は、ビジターセンター、ロープウェイなど交通機関、宿泊、避難小屋、野営地での三密、除菌対策、感染症発症時の対応・連絡体制の整備などが求められる。無人の避難小屋・野営地での利用状況をどう把握するか、感染症発症時に誰が現地に赴き対応するのか、警察・救急も含めて、準備しておく必要がある。
 避難小屋・野営地についても、予約システムの構築が望ましいが、急には無理だろう。管理者の対応が間に合わないのであれば、今年は避難小屋は全て休止(緊急時のみ受け入れる)、野営地も基本は利用して欲しくないというメッセージを早めに発信するべきか。
 登山者には、上記の管理状況の対応方針、登山者の行動変化を踏まえて、留意すべきことを、感染症対策も含めて、早めに発信するべき。大人数のガイドツアーも休止を要請するべきか。避難小屋をあてにしたツアーには特に配慮が必要。
 人の存在が希薄になったことによって野生動物の活動が活発化しているとの報道もあるが、この短期間でそのようなことが起きるのか、検証が必要。特に、ヒグマの行動については、これまで以上に情報収集と、登山者への情報発信、注意喚起に努めるべき。

住宅地近隣の公園緑地の再認識
 外出自粛・在宅勤務や、郊外への移動の抑制によって、自宅周辺の公園緑地を再認識した人も多かったはず。意外と良い場所があったり、長年にわたりストックされてきた都市公園の存在意義が発揮されたはず。その評価も必要。
 ただし、最近の財政難などで都市公園の維持管理費は低下傾向。最近では、公園の廃止、統合、機能分担(遊具などを小規模な公園から撤去し、中心となる公園に集中させること)が各自治体で進められている。完全に、今回の事態に公園緑地が果たすべき役割からは逆行しており、再考に繋がるかどうか。日常的に、近所で、ソーシャルディスタンスを保って運動、レクリエーションができる場所が求められている。まだまだ公園は少ない。
 住宅地内の公園に子どもが集まっていることが槍玉に挙げられ、そのようなご苦労様な自粛ポリスによる通報や、自治体の余計な過剰な対応も多かったとおもう。少なくとも公園ではクラスターは発生していないし、市中感染の経路や場所が特定され、それが公園だったというエビデンスはない。通常の平日は学校に行っていて、子どもたちがいない時間に公園にいるから不自然に見えたというだけでもあり、近隣のスーパーマーケットやマスク欲しさに人が並ぶドラッグストアの前と比べて危険なレベルの高密度とでも言えるのだろうか?

モニタリングの重要性
 そもそも現在が、以前が、コロナ後が高密度なのか、低密度なのか、答えることが難しい公園、施設が多すぎる。普段から、ちゃんとモニタリングしてこなかったから。この際、ちゃんとやりましょう。ワーケーションは、後からでも良いです。今後は、センサーも使用して、密度へのアラートなどが出る仕組みも考えなければならないかもしれない。

参考資料
山岳医療救助機構:登山再開に向けた「アンケート結果」と「基本知識(計画と準備編)」資料の公開

2020年4月16日木曜日

密集しないで外で遊ぶには

3月19日から行っている休校・休園・外出自粛中の子どもの過ごし方に関する調査において,4月1日までの中間集計では,外出時に安心して遊べる場所や外出していいかどうかがわからないという回答が多くありました。なお,現在も調査期間を延長して,回答を募集中です。

以下の記事によると,屋外での運動や公園利用については特に指針が示されている訳ではなく,自治体によっては公園を閉鎖するところも出てきているようです。

毎日新聞「滑り台などの公園の遊具、各地で使用禁止に 「子どもたち密集させないため」」4/16(木) 8:30配信

例えば,札幌市建設局みどりの推進部のサイトでは,パークゴルフ場、野球場、テニスコート、サッカー場等の屋外施設,公園にあるパークセンターやレストハウスなどの屋内施設の閉鎖,炊事広場の開放時期の延期,花見での宴会の自粛要請などが広報されています。それらの施設以外の場所で,広場で,どうやって安全に公園を利用すれば良いかは分かりません。

アメリカの National Recreation and Park Associationは,公園を管理する自治体や管理者等の団体と3月18日に共同声明を出しています。その概略は,




  • 発熱などの症状があるときは公園や歩道の利用は避けましょう
  • CDC (アメリカ疾病予防管理センター) の指示に従いましょう
  • 利用できる公衆トイレや水飲み場は限られています
  • 歩道上で他の人とすれ違う時には,距離をとってよけましょう
  • 集まる際には,CDCの指示する人数に従い,お互いに距離をとりましょう
  • 他人とは最低6フィートの距離をとりましょう。それが難しい場合は,替わる場所を見つけ,その場所を離れましょう
  • 公園と歩道の利用にあたっては各自治体の最新の指示に従いましょう
  • となっています。

    先述の子どもの過ごし方に関する調査において,面積が広く,人数が少ない公園が選ばれていることも分かりました。では,どこが広くて,散歩などに適しているのでしょうか?Google Mapで,検索欄に「公園」と入れると近所の公園が列挙され,地図上で大きさを確かめることもできます。
    札幌市の例になりますが,公園検索システムで,住所や施設の内容から公園を検索して,広さや施設を確かめることができます。ご近所にある街区公園ではなく,近隣公園や地区公園,総合公園などを指定して検索すると,より大きな公園がどこにあるか分かります。

    公園の利用状況を知るのは難しいですが,昨年度,札幌市の桑園地区で我々が行った調査では,小学校や駅,公共施設,商業施設などに近く,遊具も充実している公園に,子どもたちや大人が集中する傾向が分かりました。さらに,午前10時前後と午後3時頃がピークの時間帯です。ご近所をよく探してみると,遊具は少ないけど軽い運動や散策はできる,早朝やお昼時,夕方には空いている意外な穴場があると思います。


    2020年4月6日月曜日

    新型コロナウィルスの影響で幼児〜中学生の過ごし方,遊び方はどうなっている?

    「新型コロナウィルスの影響による子どもの生活と遊び状況調査」中間報告

    北海道大学大学院農学研究院・准教授 愛甲哲也

     新型コロナウィルスの影響で休校・休園や外出自粛になっている幼児〜中学生の生活状況,特に外遊びの実態と課題を調査しています。子どもの生活環境や遊び空間の改善に生かす知見を得るため,こども環境学会・こども環境研究会北海道の有志で,319日に開始しました。
     これまで北海道を中心にいただいた923人の回答について,主な内容を中間報告し,各家庭での子どもの過ごし方の現状や課題,工夫などについて共有いたします。
     協力が広がっていることや北海道外では休校・休園が延長されていることから,調査期間を当初予定より延長いたします。特に,北海道以外の方からもご回答をよろしくお願いいたします。引き続き,ご協力いただけますと幸いです。

    回答サイトU R L https://arcg.is/0fuSOv 

    中間報告対象期間:319日午後4時〜4124
    回答数:923人(北海道838人,北海道外85人)
    分析:北海道大学大学院農学研究院 愛甲哲也
    連絡先:電話011-706-2452,メール:tetsu@res.agr.hokudai.ac.jp
    ※自由回答項目のテキスト分析は,ユーザーローカル テキストマイニングツール( https://textmining.userlocal.jp/ )を使用しました。

    ご希望の方には,図表が鮮明なPDFファイルを配布いたします。メールでご連絡ください。

    ・多くの幼稚園,保育園,学校などで,休校・休園の措置がとられている

    ・休校・休園や外出自粛中は,自宅が主な居場所に

    ・休校・休園や外出自粛で,屋内遊び,テレビやビデオ,インターネット動画,ゲーム,家族との会話が増え,屋外遊び,友達との交流,塾や習い事は減少

    ・8割以上の保護者が,子どもには外遊びが必要と回答

    ・休校・休園や外出自粛前は,自宅や友人宅の庭,近所の公園で遊んでいた

    ・休校・休園や外出自粛中の外遊びは減少,4分の1は屋外で遊んでいない

    ・自宅から近い,人が少ない,面積が広い公園が選ばれている

    ・保護者は,屋外で安心して遊ばせる場所,学習方法,外出に関する情報が不足

    ・休校・休園や外出自粛中のお子さんの屋外での遊びについて,困っていること,悩んでいることがあれば,不都合のない範囲で教えてください。

    回答の例:
    手洗いうがいするだけで本当によいのかと不安
    ついてあげられない時は外遊びができない
    雪がまだ残っているとそもそも公園でも遊べない
    雨の日の遊び場がなくて困ります
    友達がいないので長時間外で遊んでいられない
    人数が多いと気になり外へ行かせられない
    公園などで遊ばせてもいいのかわからない
    外に連れ出した時の周囲の視線が気になる
    屋内だけでは子どもと自分にストレスが溜まっている

    ・休校・休園や外出自粛中のお子さんの屋外での遊びについて,気をつけていることやお子さんに伝えていることがあれば教えてください。

    回答の例:
    なるべく出ないようにしている
    街には行かないようにした
    人と交わらないようにしている
    口や目を触らないよう伝えた
    家の近くをランニングしています
    友達の家に行かないように
    公園の遊具では遊ばないように
    帰宅後はうがい手洗いを徹底
     ・休校・休園や外出自粛中のお子さんの自宅での過ごし方について,工夫されていることがあれば教えてください。

    回答の例:
    生活リズムが崩れないように注意している
    平日は学校の時間割り通りに勉強し、休校前と同じ生活リズムを維持
    ゲームやテレビなど時間を決めてやる
    時間を決めて運動をするようにしています
    自由時間を作るようにしています
    普段は時間が無くできないことをこの機会に
    一緒に料理やお菓子作りをするようにしている
    家族でボードゲームをする時間をつくりました


    中間まとめ 
     新型コロナウィルスの影響は,医療や産業のみではなく,保育園,幼稚園,学校の休みにより,子どもたちの過ごし方にも大きな影響を及ぼしています。
     自宅で過ごす時間が増えたことによって,テレビやビデオ,インターネット,ゲームの時間が増えています。屋内での遊びに対して,外遊びや友達と会う機会も減少し,体力や健康の維持,精神衛生への影響も少なくないでしょう。その一方で,家族との会話は増えていて,各家庭で様々な工夫が行われていることをうかがわせます。
     多くの保護者は,子供にとって外遊びを必要なものと認識し,近所の公園や散歩,自宅の庭などへの外出や遊びを,戸惑いながら行っています。外出する際の留意事項,近所で安心して遊べる公園はどこにあるかなど,市区町村や公園管理者から保護者への適切な情報提供が求められています。規則正しい生活,適度な運動や外出,外出後の手洗いなど,各家庭での取り組みや工夫は,今後も休園・休校,外出自粛が続く地域には有用でしょう。
     4月中旬まで調査は継続し,地域や休校・休園措置の違いなどにも着目して分析し,最終的な取りまとめを行う予定です。影響が継続する場合や,今後の同様の事例の発生時に有用な情報を提供できるようにまとめていきます。
     引き続き,回答の呼びかけなど,ご協力よろしくお願いします。

     最後になりますが,ご回答をいただいた保護者の皆様,広報にご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。子どもたちが思いっきり,外で遊べる日が早く来ることを願っています。

    2020年3月22日日曜日

    新型コロナウィルスに、公園などの公共空間の管理者は、どう対応するべきか

    新型コロナウィルスの感染防止のために外出制限や公共施設の閉鎖が続く中、公園などの公共空間の管理者はどのように対応すべきでしょうか。特に屋外の公園は、日常的な健康の維持にも重要な役割を果たしており、その管理には十分な配慮が必要です。

    アメリカの公共空間の計画や管理の助言や情報提供を行なっているProject for Public Spaces (PPS) が、管理者がどう対応すべきか、メッセージを公開しています。その概要をまとめてみました。

    YOU ASKED, WE ANSWERED: HOW CAN PUBLIC SPACE MANAGERS HELP FIGHT COVID-19?

    1. 政府機関などの正確な情報により、閉鎖も検討すること
     多くの人が触れる扉、手すり、ベンチなどの備品の清掃頻度を増やす。備品を減らすことで作業負担は軽減される。

    2. 利用者に責任ある行動をもとめる
     具合の悪い時に外出しない、手をよく洗う、咳エチケット、公共の場でつばを吐かない、他人とは距離をおく、などを様々な手段を通じて伝える。

    3. 利用者の分散をはかる
     集中する時間や空間をつくらない努力をする。イベントの中止や延期、グループへの注意などに加え、ピーク時間や集まりやすい場所を把握し、分散利用を推奨する。ベンチなどを間引きして、間隔を空けることも有効。

    4. ホームレスの人々の擁護
     やむを得ず公園などの公共空間を拠り所にしている人々もおり、それらの人々が利用するトイレや手洗い場は清潔に保つなどの配慮が必要。

    5. ローカルビジネスの支援
     地域の商業者と公共空間は密接な関係を持つ。休店や顧客の減少に苦慮しており、テイクアウトや出前、オンライン購入、レビューを書く、SNSで発信などで支援する。

    6. スタッフと委託事業者のケア
     管理する施設のスタッフと委託の従業者に感染予防を徹底する。閉鎖の際には、パートタイマーや季節雇用者の収入減少に配慮する。開放を継続する場合にも、通勤、テレワーク、子どもや家族の看護などに配慮する。スタッフや利用者との対面の対応は少なくし、デジタルツールを活用する。

    7. 専門性をいかして頑張ろう
     今後の予測は難しいが、公共空間の管理者は、利用者や周囲を観察し、地域コミュニティと連携する経験やスキルがある。この新しい状況にも役立つはず。

    更新(期間延長):新型コロナウィルスの影響による子どもの生活と遊び状況調査

    新型コロナウィルスの影響による子どもの生活と遊び状況調査

    こども環境学会・こども環境研究会北海道 有志

    新型コロナウィルスの影響で,休校・休園や外出自粛になっているお子さんの生活状況,特に外遊びの実態と課題について保護者の皆様にうかがうものです。
    今後の同様の状況において,子どもの生活環境や遊び空間の改善に生かす知見を得るため,ご協力いただけますと幸いです。
    お答えいただいた内容は,集計して使用し,ここの回答を個人情報がわかるような状態で公表することはございません。 

    北海道私立幼稚園協会様など,多くの方にご賛同いただき,新型コロナウィルスの影響による子どもの生活と遊び状況調査の周知にご協力いただいています。そのため,回答期間を延長いたします。

    引き続き,よろしくお願いします。

    期間:2020年3月19日~4月1日
    4月12日まで延長します


    実施:北海道大学大学院農学研究院 愛甲哲也
    札幌市立大学デザイン学部 椎野亜紀夫


    回答サイトのURL(PC,タブレット,スマホ対応)
    https://arcg.is/0fuSOv


    2020年1月29日水曜日

    札幌市役所(造園職)就職説明会のお知らせ

    大学院生・学部生のみなさま

    以下の要領で、札幌市役所(造園職)就職説明会を行います。関心のある方はご参加ください。

    -----
    令和2年 1 月
    北海道大学学生の皆様へ
    札幌市建設局みどりの推進部

    札幌市役所【造園職】就職説明会を開催します!
    札幌市役所の「造園職」は、大学で学んできた自分の好きなことを活かせる貴重な仕事であり、北海道大学の卒業生(特に、農学と理学分野)がたくさん活躍しています!

    この説明会は、北海道大学を卒業し、「造園職」として働く若手職員だけで行います。 普通の説明会とは違った、気軽な雰囲気の中で生の声が聞け、質問もたくさんできる貴重な機会であるため、過去3年間の参加者アンケートでは「(非常に)良かった」が90% 以上を占めているなど、満足度が高い説明会です。
    「みどり」や「行政」に興味がある方は、是非ご参加ください!

    日時:令和2年2月5日(水)16:30~約 1 時間半 
    会場:北海道大学農学部 N 棟 N21
    説明者:石堂光(H20農学部森林科学科卒業)他数名 
    内 容:造園職の仕事、採用試験、質疑応答 など
       ※事前申し込みはいりません。直接お越し下さい。
       ※学部や専攻、学年等は問いません。
       ※服装は、普段着で大丈夫です。
       ※途中入室、途中退室も自由です。

    問合せ先:札幌市建設局みどりの推進部みどりの管理課公園維持係 山田
    TEL:211-2536 FAX:211-2523 E-mail:tadayasu.yamada@city.sapporo.jp 
    (大学側協力:愛甲准教授 農学研究院花卉・緑地計画学研究室)


    2019年8月14日水曜日

    山と自分とのつりあいとは

    2019年の山の日は、大雪山国立公園に新しくオープンした旭岳ビジターセンターでの「大雪山の価値を活かすフォーラム」でお話しさせていただきました。

    東川町での連続のフォーラムでお話しさせていただくのも、おなじみになってきていますが、今回は改めて、私の研究や活動の原点になっている、登山の安全と施設整備水準、山のトイレ、市民協働による登山道管理についてお話しさせていただきました。

    フォーラムの主役は、アウトドアスタイル・クリエイターの四角友里さん。山スカートを世に広め、山の日アンバサダーとしても幅広く活躍されている方です。はじめてお会いしましたが、事前に著書を読ませていただき、あらためてそのお考えに賛同することも多く、(自分的には)楽しくトークショーをさせていただきました。

    お話の中や、著書には、「一歩ずつ」「永遠の初心者」「へっぴり登山思考」「山を味あうために心の余裕をつくる」など、かなり謙虚なお言葉がならびます。日本中だけでなく、海外でも登山・トレッキングを数多くされていて、とにかく楽しそうに、余裕をもって、無理せずに一歩ずつ歩いているというお話は、とても示唆に富むものでした。つい、自分の力量や体力、環境を考えずに、無理して登山することもあります。挑戦は必要ですが、無謀な登山が遭難の原因にもなります。各地で広報されている山のグレーディングにもつながる考え方で、その実践者でもあるでしょう。笑顔で、優しい語り口ながら、非常に重要なお話をしていただきました。こういったことを、楽しく前向きに伝えられる人はいないなと、思いました。

    私は、登山者に自分にあったルートを選んでもらい、それにあわせて管理水準を変えるという大雪山グレードの考え方とその運用について、時間を割いてお話しました。四角さんのお話と共通するのは、山と登山者のつりあい。環境、難易度、アクセス、整備水準などを考慮して、グレードを参考に、登山者のみなさまには安全に大雪山登山を楽しんでほしいと改めて来場者のみなさまと共有する機会になりました。



    旭岳ビジターセンターのHPより

    2019年5月21日火曜日

    Let's use a waste bag, when trekking in Hokkaido

    If you are planning to go trekking in Hokkaido, Japan, we strongly recommend you to bring waste bags (“Keitai Toilet 携帯トイレ”). Visitors need to use a waste bag in excretion, especially at Mt. Tomurashi and Biei Fuji of Daisetsuzan, Mt. Rishirisan, Rausu-dake of Shiretoko peninsula. There are no toilet facilities in those mountains, and visitors are recommended to take their waste back to home or trailhead.
    On some mountains in Japan, including Hokkaido, the human waste and paper left by visitors are scattered and contaminate the environment of the mountains. It is technically challenging and costly to dispose of human wastes in the mountains. In famous mountains such as Mt. Fuji and the Japan Alps, there are disposal facilities for human waste or wastes are carried out by helicopters. In other mountains in remote areas or where there are not many visitors, there are only vault toilets, or there is no toilet.

    In the mountains in Hokkaido, even in mountain hats, shelters and campsites there are many places without toilets. There are fewer toilets at the trailheads. The renovation and installation of the toilet are not pursued due to technical difficulties and the high cost of construction and maintenance. For that reason, the cooperation of visitors is necessary.

    We want visitors of Hokkaido mountains to follow the following things.
    • Let's go to the restroom before starting hiking
    • Let's use the restroom as much as possible in mountains
    • Do not throw any trashes in the toilet
    • Let's bring out used papers
    • Let's try to use the waste bag

    The waste bag is the plastic bag for easy carrying of human waste in a place without a toilet. Please take out the inside bag, spread it on the ground, or set it in a special toilet bowl, seal it after excretion, and carry it. There is also the waste bag which needs chemicals after excretion. Depending on the rules of the mountain, put the used waste bag in the special trash box at the trailhead or follow the local waste disposal rule of the local authority. You can buy waste bags at tourist facilities around the trailhead and climbing equipment stores in the town.

    The map of toilets in Hokkaido mountains shows you the presence of toilets at the trailheads of the main hiking routes, the location of the booth for the waste bag and the special trash box. You can also check stores where you can get the waste bag.



    In Hokkaido, many beautiful mountains are preserving the pristine landscape. Considering the environmental conservation of the mountain, we want you to enjoy the mountain of Hokkaido.

    2019年3月18日月曜日

    大雪山ヒサゴ沼避難小屋の改修に際して

    大雪山の縦走路上にあるヒサゴ沼避難小屋の改修と、それに伴う今夏の小屋の閉鎖と、野営指定地の使用不可の可能性が広報されている。(北海道十勝総合振興局のHP)

    長年、老朽化が著しかったので、改修が決まったのは喜ばしいことだが、すでにツアーや個人の山行の計画を立ててしまっているこの時期になってからの発表のため、速やかな広報が課題である。さらに、実は、様々な問題もはらんでおり、このような場当たり的な施設整備は決して喜ばしいと諸手を挙げて喜べない。

    ヒサゴ沼の避難小屋が閉鎖になると、忠別避難小屋と野営指定地、南沼野営指定地、野営指定地以外で野営がみられる北沼、三川台にも影響が出そう。ただでさえ、大きな遭難事故も起こった場所、忠別避難小屋も老朽化、南沼はトイレがないため携帯トイレの普及と拡散したトイレ道の修復の途上。

    そのため、お役所目線の工事の内容の周知ではなく、トムラウシ山登山や大雪山の縦走を計画している登山者に今夏の計画の再考をうったえるメッセージを発信するべきだ。大雪山の施設が抱えている様々な問題を考えてもらうきっかけにもなるはず。なぜ外壁がボロボロになるまで放置されたのか。縦走路上の主要施設の修繕や、施設の更新、野営地指定地・トイレの改善がすすまないのか。

    昨日、関係者で今後の広報について意見交換しましたが、問題点として議論されていないことがある。そもそもヒサゴ沼に避難小屋とトイレが必要なのか、将来にわたって縦走路上にある避難小屋やトイレの更新はできるのか、それらの施設に対して、管理者はライフサイクルコストの試算や長寿命化計画(修繕計画)を立てているのか、など。予算がついたから工事します、予算がないので対応できません、このような場当たり的な施設管理では、日本の国立公園の未来は暗い。

    その影響をこうむるのは、登山者、利用者、国民だ。

    2019年3月10日日曜日

    Let's use a waste bag, when trekking in Hokkaido

    If you are planning to go trekking in Hokkaido, Japan, we strongly recommend you to bring waste bags (“Keitai Toilet 携帯トイレ”). Visitors need to use a waste bag in excretion, especially at Mt. Tomurashi and Biei Fuji of Daisetsuzan, Mt. Rishirisan, Rausu-dake of Shiretoko peninsula. There are no toilet facilities in those mountains, and visitors are recommended to take their waste back to home or trailhead.
    On some mountains in Japan, including Hokkaido, the human waste and paper left by visitors are scattered and contaminate the environment of the mountains. It is technically challenging and costly to dispose of human wastes in the mountains. In famous mountains such as Mt. Fuji and the Japan Alps, there are disposal facilities for human waste or wastes are carried out by helicopters. In other mountains in remote areas or where there are not many visitors, there are only vault toilets, or there is no toilet.

    In the mountains in Hokkaido, even in mountain hats, shelters and campsites there are many places without toilets. There are fewer toilets at the trailheads. The renovation and installation of the toilet are not pursued due to technical difficulties and the high cost of construction and maintenance. For that reason, the cooperation of visitors is necessary.

    We want visitors of Hokkaido mountains to follow the following things.
    • Let's go to the restroom before starting hiking
    • Let's use the restroom as much as possible in mountains
    • Do not throw any trashes in the toilet
    • Let's bring out used papers
    • Let's try to use the waste bag

    The waste bag is the plastic bag for easy carrying of human waste in a place without a toilet. Please take out the inside bag, spread it on the ground, or set it in a special toilet bowl, seal it after excretion, and carry it. There is also the waste bag which needs chemicals after excretion. Depending on the rules of the mountain, put the used waste bag in the special trash box at the trailhead or follow the local waste disposal rule of the local authority. You can buy waste bags at tourist facilities around the trailhead and climbing equipment stores in the town.

    The map of toilets in Hokkaido mountains shows you the presence of toilets at the trailheads of the main hiking routes, the location of the booth for the waste bag and the special trash box. You can also check stores where you can get the waste bag.

    In Hokkaido, many beautiful mountains are preserving the pristine landscape. Considering the environmental conservation of the mountain, we want you to enjoy the mountain of Hokkaido.

    2018年6月20日水曜日

    「やまレポ大雪山」にご協力ください!!

    大雪山の登山に関する情報を、登山者に投稿してもらうサイト「やまレポ大雪山」の運用をはじめました。 今年は、見どころや登山道の状況、避難小屋・野営地の利用状況を同じサイトから投稿できるようにしました。PC、タブレット、スマホから可能です。 https://arcg.is/0Tzfn4 投稿された情報は、大雪山山守隊のHPからご覧いただけます。 https://www.yamamoritai.com/登山道情報/やまレポ-大雪山マップ/ 日本最大の大雪山国立公園には300kmの登山道、8つの避難小屋,12の野営指定地があります。登山シーズンに管理人が常駐するのは,黒岳と白雲岳で,その他の場所では,何人くらいの方が利用されているかという基礎的な情報がない状況です。 関係者のみで、情報を収集し、対策を検討するには限界があります。登山者の皆様のご協力をお願いします。

    ランドスケープセッション2018 第4回「ふりかえりのランドスケープ2018」

    第2回の北のランドスケープ研究会の開催について、お知らせします。

    北のランドスケープ研究会
    ランドスケープセッション2018 第4回「ふりかえりのランドスケープ2018」
    「月寒公園再整備+災害とみどりをふりかえる」

    造園CPD認定プログラム 認定番号:18-0143 単位:2.0

    日時 2018年7月4日(水)18時30分~20時30分
    会場 街中スペース COBO[コヴォ]
       中央区南1条西7丁目12-2 大通り公園ウエストビル3階
    https://www.covo-s1w7.com/#access

    会費 500円(資料代)
    主催 日本造園学会北海道支部・ランドスケープコンサルタンツ協会北海道支部

    ■テーマ1:「月寒公園の再整備をふりかえる」
    再整備がほぼ完了した月寒公園を題材に、再整備基本計画から施工・運営管理に関わった方々にお集まりいただき、計画や設計、施工・運営の視点でこの公園再整備をふりかえりたい。
    発表者
    基本計画・基本設計:高野ランドスケーププランニング
    実施設計:中央コンサルタント
    利用者・運営者:月寒公園ファンクラブ会長

    ■テーマ2:「災害によって失われたみどりの復元をふりかえる」
    台風や集中豪雨など近年様々な災害によって、みどりが失われる例が見られる。被災直後のみどりと復旧後のみどりを通して、失われたみどりを復旧する技術をふりかえていきたい。
    発表者(予定)シン技術コンサル、シビテック

    2018年5月29日火曜日

    「情報通信技術と市民参加による自然保護」

    気づいたら、SNSを多用していて、ブログを更新するのはほんとに久しぶりです。
    日本造園学会北海道支部では、造園や関連分野の情報交換・意見交換を行う「北のランドスケープ研究会」を年に2〜3回、開催しております。

    今年は、以下のテーマのほか、都市公園の再整備、Park-PFIなど準備中です。
    なお、本研究会は、造園CPD認定プログラムです。[ID:5237] [単位]1.5

    テーマ「情報通信技術と市民参加による自然保護」
    講師 イギリス・スコットランド・アバディーン大学 Van der Wal, Christiaan Franciscus Rene 教授
       東京大学大学院新領域創生科学研究科 斎藤馨 教授
    日時 2018年6月4日(月)18時〜19時30分
    会場 北海道大学農学部S21講義室(2階)
       札幌市北区北9条西9丁目  https://www.agr.hokudai.ac.jp/i/access

    ICT (情報通信技術)の急速な発展は、自然景観のモニタリングやグローバルな環境問題の理解に大きな変化をもたらしています。Van der Wal教授は、スコットランドで「ICTを活用した自然保護 (Digital Conservation)」を提示し、生態学の知識を広め、市民の学習や調査への参加をうながす取り組みをすすめています。斎藤教授は、我が国の景観シミュレーション研究を先導し、最近ではデジタルデータによる森林の環境記録を行うサイバーフォレスト研究プロジェクトに取り組まれています。お二人に、ICTを活用し、市民の参加をうながす最新の研究成果を紹介していただき、次世代の自然保護への応用について考えます。

    無料、申込不要
    Van der Wal教授は英語で講演されますが、斎藤教授に概要を解説いただきます。

    主催:日本造園学会北海道支部
    連絡先:研究会担当 愛甲哲也
        北海道大学大学院農学研究院 011-706-2452
        tetsu@res.agr.hokudai.ac.jp

    2017年6月15日木曜日

    大雪山「避難小屋・野営地の実態調査」「登山道荒廃の情報収集」にご協力下さい

     大雪山国立公園には,8つの避難小屋,12の野営指定地があります。登山シーズンに管理人が常駐するのは,黒岳と白雲岳で,その他の場所では,何人くらいの方が利用されているかという基礎的な情報がない状況です。利用実態のデータは,今後の大雪山の管理と,避難小屋と野営指定地のあり方を検討する上で欠かせません。ただし,調査員を配置することなどは,大きな経費も予想されます。大雪山には約300kmの歩道があります。登山道では、過剰な利用や施設の老朽化、気候変動への影響などから、その維持管理が大きな課題となっています。

     今年度、避難小屋・野営指定地の利用状況の投稿サイト「山レポお宿帳」を運用するとともに、登山道の荒廃状況の投稿サイトを立ち上げ、関係者および一般の登山者のみなさまに,レポートしていただく準備をすすめております。

     結果につきましては、投稿していただいたみなさまにフィードバックすると同時に、関係機関及び大雪山の登山道関係者の情報交換会で報告させていただく予定です。それにより、次年度以降の情報収集体制の検討および施設・登山道のメンテナンスの基礎資料とさせていただきます。多くのみなさまのご協力をよろしくお願いいたします。


     登山者のみなさまに、通過および宿泊された避難小屋・野営指定地・その他の場所での,宿泊者数およびテント数の記録に,ご協力をお願いします。




    ★「登山道レポート」とは
     整備の優先度の把握や、メンテナンスのために、みなさまに情報収集へのご協力をお願いいたします。補修や対策が必要だと思われた場所について,写真を撮影し、場所、状況,周囲の環境などを教えて下さい。登山中でも、下山後に自宅からでも結構です。
       
     


    調査実施・連絡先
    北海道大学大学院農学研究院 准教授 愛甲哲也
    060−8589 札幌市北区北9条西9丁目
    電話&FAX 011−706−2452

    電子メール tetsu@res.agr.hokudai.ac.jp

    調査協力:大雪山・山守隊、北海道大学大学院地球環境科学研究院渡辺悌二教授、山岳レクリエーション管理研究会、