2012年5月7日月曜日

造園学会「地域との協働による自然公園の管理」


下記のミニフォーラムを、日本造園学会の全国大会において開催します。

日時:5月20日(日) 17時〜18時半
場所:大阪府立大学中百舌鳥キャンパス B3棟208中講義室

「地域との協働による自然公園の管理」
 自然公園には、優れた自然風景の保護と生物多様性の保全の場としての役割だけでなく、里山・里海のように地域との関わりが強い自然景観を保全する場としての役割も期待されている。たとえば,東日本大震災を契機に構想された「三陸復興国立公園(仮称)」においても地域の産業や暮らしとのつながりがテーマとなっており,公園構想は三陸に住む人々の生業と切り離して語ることができない。三陸沿岸に限らず,地域制である我が国の国立公園は、様々な主体が係わる協働により管理されてきており、その体制の再構築が求められている。本ミニフォーラムでは、最近の自然公園の管理について話題を提供し、これからの地域との協働による管理の可能性について参加者を交えて議論を行う。

話題提供
下村 彰男(東京大学) 国立公園における協働型運営体制のあり方
桂川 裕樹(環境省) 「三陸復興国立公園(仮称)」再編成の取り組み
熊谷 嘉隆(国際教養大学、WCPA-J委員長) アジア公園会議と地域制自然公園の検証
土屋 俊幸(東京農工大学) 国有林の協働型管理—赤谷・綾両プロジェクトの比較から

企画・運営 愛甲哲也(北海道大学)、田中伸彦(東海大学)、山本清龍(岩手大学)
連携する団体
 自然公園研究会、WCPA-J、環境省自然環境局国立公園課

連絡先
愛甲哲也、北海道大学大学院農学研究院
060-8589 札幌市北区北9条西9丁目 電話011-706-2452 tetsu@res.agr.hokudai.ac.jp

造園学会全国大会の会場については、下記をご覧下さい。
http://www.landscapearchitecture.or.jp/dd.aspx?itemid=2226&efromid=0#moduleid1412

また、上記の内容に関連の深い環境省の検討会のHPは下記です。
http://www.env.go.jp/nature/np/kanri_conf.html

2012年4月27日金曜日

自動計測による公園利用者のモニタリングのお知らせ

山岳レクリエーション管理研究会
「自動計測による公園利用者のモニタリング」

平成24年5月14日(月) 13時半~15時 北海道大学農学部S119室

北海道大学大学院農学研究院、Eco Counter、フランス大使館企業振興部

 利用者数のモニタリングデータは、公園管理の基礎的情報となります。国内でもいくつかの機器が使われていますが、精度や使い勝手はまだ改良の余地があります。このセミナーでは、これまでの利用者モニタリングの成果をふりかえるとともに、新たに国内でテストを開始したEco Counterのご紹介をします。フランスからEco Counter社の方も来札し、現在試験を行っているポプラ並木横の花木園でのデモもご覧いただきます。

報告者
利用者モニタリング手法の比較 愛甲哲也(北海道大学)
大雪山における登山者数の推定 庄子康(北海道大学)
Eco Counterについて Eco Counter社

問い合わせ先
愛甲 哲也
北海道大学大学院農学研究院
Tel/Fax 011-706-2452
tetsu@res.agr.hokudai.ac.jp


2012年4月10日火曜日

国立公園内の地熱発電の推進における公園計画の課題

国立公園内の地熱発電の推進に関して、環境省が規制緩和をしたことが報道されている。現行の国立公園の公園計画をもとに、規制を緩和する内容には、きわめて違和感をおぼえる。それは、現行の公園計画が、風景の保全を重視し、かつ土地所有者の意向に左右されてつくられてきた経緯を考えると、規制緩和された地域に生態系保護の観点から重要な地域がとりこぼされている可能性がきわめて高いからである。

 わが国の国立公園は、アメリカやオーストラリアとは異なる地域制という制度を採用してきた。私有地を含んでいても公園の指定をできるが、土地所有者の同意が得られなければ重要な資源があっても規制は弱くなってしまう。国立公園内の国有地は約6割、公有地が約1割で残りは私有地であるが、国有地も国立公園専用の土地ではなく、その大半は国有林として林野庁に管理されている。環境省が直接所管する土地は全体の1%にも満たない。
http://www.env.go.jp/park/welcome/index.html

 自然公園内の地熱発電については、昭和47年に既設の6箇所以外の調査工事や開発は景観及び風致維持上支障があると認められる地域では推進しないことが、通知された。地熱エネルギーへの期待の高まりに対して、自然環境保全審議会は、昭和54年に、地熱開発による風致景観への影響が大であるとし、「国立、国定公園内の自然環境保全上重要な地域を避けることを基本とすべき」とした。平成6年には、(当時)霧島屋久国立公園内の発電所の設置予定にあたって、普通地域内においては、風景の保護上の支障の有無について個別に検討するとした通知がだされ、大霧地熱発電所が普通地域内に建設された。

 これまでの普通地域内への設置と斜め堀りを認める方針を、自然エネルギーへの期待の高まりを背景に、環境省は第2種、第3種特別地域においても、特定の条件を満たせば垂直掘削と発電施設の設置を認めるように緩和した。候補地となっているのは、阿寒国立公園阿寒地域、大雪山国立公園白水沢地域、十和田八幡平国立公園菰ノ森地域、栗駒国定公園木地山・下の岱地域および小安地域、磐梯朝日国立公園磐梯地域である。

 地熱発電所の建設や、地熱発電による影響について、自然景観や温泉資源に対する懸念も指摘されている。今回の緩和において懸念されるのは、自然公園内の第2種特別地域、第3種特別地域、普通地域は、自然景観を保護する観点から価値が低く、開発の影響も少ないと誤解されている点である。先述したように、現行の公園計画は風景の保護を主要な目的としており、またその地種区分(特別保護地区や特別地域の区分)には土地所有者の意向が強く反映されている。国有地と言っても、林野庁が所管する国有林が大半を占めるため、乱暴に言うと、林野庁が木材生産のために不要と考えた高山帯などが特別保護地区や第1種特別地域に指定された経緯がある。自然生態系保護や利用体験保護の観点から計画が立てられていないことの問題点は、早くから指摘されてきた。支笏洞爺国立公園の事例ではあるが、下記の論文で分析を行い、現行の公園計画の問題点を指摘している。現行の公園計画は、実は自然保護上かなり問題をはらんでいるものなのだ。
愛甲 哲也, 富所 康子, "支笏洞爺国立公園における公園計画と国有林森林計画の関係について": ランドスケープ研究, Vol. 73 No. 5, 505-508, (2010) .
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jila/73/5/73_505/_article/-char/ja/

 また、現行の特別保護地区と第1種特別地域が自然環境保全上重要な地域をすべて網羅しているわけではない。これについては、環境省も2010年の生物多様性条約締約国会議にあわせて、生物多様性保全の観点から国立・国定公園の点検を行っており、その不十分さは認識しているはずである。
国立・国定公園総点検事業について
http://www.env.go.jp/park/topics/review.html

 よって、現行の公園計画に立脚して、第2種特別地域、第3種特別地域、普通地域または公園外では、地熱発電所の建設や垂直掘削は可能だとするのは、時期尚早な判断であると考える。自然景観はいったん失われると、将来の世代に大きな禍根を残しかねない。地熱発電の自然環境への影響を十分に検討するとともに、自然生態系保全の観点から自然公園の公園計画をきちんと見直すべきである。

2012年1月29日日曜日

第13回「山のトイレを考えるフォーラム」

第13回「山のトイレを考えるフォーラム」開催のご案内
テーマ:『北海道の山トイレ 今私達にできること』
                                    
      
                                     主催:山のトイレを考える会

 山のトイレフォーラムも第13回目を迎えようとしています。13という
回数を重ねていることに、ある意味複雑な思いがあるのも事実です。
 私達のふるさと北海道の野山が屎尿やトイレ紙に汚染されない状態がいつに
なったらできるのでしょうか。試行錯誤を繰り返していることにときに忸怩たる
思いに駆られものです。
 来る3月10日には様々な形で会員やトイレ問題に関わりの関係者の皆様のお話
を拝聴し、それを元に北海道の山岳環境改善へ向けた討論を通じて光明を見出せ
ることを切に希望しております。
 特に登山愛好家の皆様には一日だけ山をお休みしてのご参加を心よりお待ち申
し上げます。               
                                    山のトイレを考える会代表 岩村和彦
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1.日時  2012年3月10日(土) 13時30分~16時30分まで
                                     (受付開始:13時00分~)
2.会場  札幌エルプラザ2階 「環境研究室2」
       札幌市北区北8条西3丁目  011-728-1222
3.フォーラム内容
  (1)各山域のトイレ問題について日頃、積極的に取り組んでいる会員
       (個人・団体)及び支援していただいている関係者による課題報告
        と提言
  (2)ディスカッション
      改善に向けた今後の具体的な取組み、活動方法について討論
3.参加費 資料代として500円

(交流会)17時30分~ つぼ八札幌南口店
     (札幌市中央区北4条西4丁目ニュー札幌ビル2階)011-223-8805
         会費3,000円程度

(お問い合わせ) 山のトイレを考える会事務局
      〒060-8589 札幌市北区北9条西9丁目
       北海道大学大学院農学研究院内(担当:愛甲)
       TEL&FAX:011-706-2452
       E-mail:hokkaido@yamatoilet.jp

2012年1月25日水曜日

北のランドスケープ研究集会

下記の日程で、今年最初の研究集会を行います。
年度末で、お忙しいとは思いますが、ふるってご参 加ください。

北のランドスケープ研究集会
2月9日(木)18:00~
 札幌市立大学サテライトキャンパス
 (アスティ4・5ビル 12階)
「台湾におけるランドスケープの現状と農村再生について」
曾碩文さん(台湾 国立嘉義大学)
曾さんは、北海道大学大学院で学び、2005年に「子どもの戸外遊び環境としての公園整備に関する研究」で学位をとり、台湾の国立嘉義大学景観学科の助理教授として教鞭をとってらっしゃいます。今回、交流協会の助成で研究交流のために再び来札しています。最近の台湾でのランドスケープ事情と、現在取り組んでいる農村活性化のプロジェクトについて話題提供をしていただく予定です。なお、日本語で行われます。

お問い合わせは、下記、愛甲まで。

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愛甲 哲也
北海道大学大学院農学研究院
Tel/Fax 011-706-2452
tetsu@res.agr.hokudai.ac.jp
www.agr.hokudai.ac.jp/hsla/aikoh/

2012年1月12日木曜日

次回の「環境と社会」研究会

「環境と社会」研究会のご案内をさせていただきます。
今回は、自然エネルギーについての講演です。講演者の古屋将太さん(環境エネ
ルギー政策研究所研究員)は、内外の自然エネルギーの状況を研究しており、現
在デンマークの大学で博士課程に在籍しながら、日本各地で自然エネルギー普及
のための講演活動も行っています。今回は、デンマークにおける地域社会主導の
自然エネルギーを軸に講演をしていただきます。

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「環境と社会」研究会
2012年2月8日(水)18:00~20:00
場所:人文・社会科学総合教育研究棟(W棟)4階408教室

講演者:
古屋将太(環境エネルギー政策研究所研究員、デンマーク・オールボー大学大学
院)

タイトル:
地域自然エネルギーにおける知識創造プロセス:
サステナビリティ・プラクシス(Sustainability Praxis)の検討

概要:
3.11後、さまざまな地域で小規模分散型の自然エネルギーの普及をめざす動きが
加速しています。そこでは地域のさまざまなステークホルダーが関わり、数多く
の課題に挑戦し、新たな知識を創り出しながら取り組みを進めていきます。報告
では、国内外の地域自然エネルギーの事例を参照しながら、それらのプロセスに
おける知識創造のあり方の分析枠組みを検討します。
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(研究会のあと懇親会も予定しています)

古屋将太(ふるや・しょうた)さんは、1982年生。NPO法人環境エネルギー政策
研究所(ISEP http://www.isep.or.jp/ 所長:飯田哲也)研究員/デンマーク・
オールボー大学大学院博士課程計画・開発プログラム在籍中。専門は地域の自然
エネルギーを軸とした環境エネルギー社会論。http://bit.ly/wvVzt3 参照

「環境と社会」研究会
http://kankyotoshakai.blog119.fc2.com/
連絡先:
北海道大学大学院文学研究科 宮内泰介 miyauchi@let.hokudai.ac.jp

2012年1月6日金曜日

最近の山岳トイレを巡る動き

みなさま

新しい年を迎えました。いかがおすごしでしょうか?
昨年はフォーラムやトイレデーなど当会の活動にご協力いただき、ありがとうございました。今年もよろしくお願いします。

今年のフォーラムは、3月10日(土)を予定しています。くわしくは改めてご案内しますが、天気良くても山に行かずにフォーラムにお集まりください。代表が一番あぶないですが、フォーラム会場にしばりつけておこうと思います。

 さて、最近の山岳トイレの動きについて、少し報告します。例の仕分けのながれで、山小屋トイレの補助金が環境省内の行政レビューで廃止と判定されたことは以前もMLでお伝えしていたかと思います。平成22年度までこの事業で107箇所のトイレの整備が進んだのですが、登山者からの負担、公共性の定義、入山規制の強化などが不十分と判断されてしまいました。
http://www.env.go.jp/park/support/mr.html
http://yamakei-online.com/magazine/blog_detail.php?id=1015

 その判定に対して、特に山岳関係者から多くの反論もありました。東京では反対する集会なども開かれました。また、環境省の担当課でも「山岳地域環境保全対策等検討会」をたちあげ検討を行いました。山岳トイレは公益的な機能をもっており、山小屋経営者などが単独で整備するのは難しく、入山規制や受益者負担の導入は時間を要するという意見などがまとめられました。下記のリンク先で会議資料や議事要旨をみることができます。
http://www.env.go.jp/nature/np/conf_sangaku/index.html

 その検討を受けて、今年度は新たに「山岳環境保全対策事業」として第三者による審査や、地域協議会を助成の受け皿にすること、受益者負担を導入することなどの変更を行いました。23年度には1億7500万円の予算がつきましたが、来年度予算ではそれも4割減となる予定です。
http://www.epohok.jp/modules/bulletin3/index.php?page=article&storyid=1590
http://www.shinmai.co.jp/news/20111225/KT111224ATI090006000.html

 震災後の財政も逼迫している状況ですのでやむを得ない部分もありますが、山小屋や山岳トイレの公益的な機能が政府や財務省には理解されていないのではと感じています。環境省では年末に総合的山岳環境保全対策推進事業に係る検討会をたちあげて、登山道やトイレの整備水準や管理体制について、全国レベルのガイドラインを検討することになりました。これは、登山道整備が過剰であると批判されたり、最近の遭難や事故の増加への対応、地域の団体やボランティアも参画した協働型の国立公園管理などとも関連して、メリハリのある山岳地の施設整備をしていこうというものです。12月27日に1回目の会議が開かれ、私も参加して、大雪山の登山道管理水準について報告してきました。これから2年かけて、登山道やトイレの整備のあり方について方針をつくっていくことになります。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14623

 上記の検討会の内容は、おいおいMLなどでご報告し、フォーラムでも紹介できればと考えています。