2015年3月25日水曜日

5/25第7回自然公園研究会「国立公園の国際化を考える」

◆第7回自然公園研究会の開催概要
<テーマ>
  国立公園の国際化を考える

昨今、我が国の国立公園には日本人だけではなく外国からも多くの人々が訪れます。
一方で外国人目線から日本の国立公園はどのように映るのか、何が魅力で、どのような点が問題で、そしてどのような改善策が必要なのか、といった議論はあまりされてきていませんでした。
今後は訪日外国人観光客数の増加に伴い、国立公園への外国人来訪者の増加も見込まれます。
そこで今回は我が国の「国立公園の国際化・グローバル化対応」を切り口に情報共有・意見交換をしたいと思います。

<日時>
  2015年5月25日(月)13:30~17:00

<会場>
 公益財団法人日本交通公社 大会議室 ※JR「東京駅」丸の内北口から徒歩2分
 (〒100-0004 東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル17階)
 ※会場地図 http://www.jtb.or.jp/about/map をご参照ください。
     
<プログラム内容>
・外国人からみた日本の国立公園~日本観光情報サイトjapan-guide.comを通して
  松本恵利子氏(エクスポート・ジャパン株式会社 ジャパンガイドチーム リーダー)
・外国人からみた日本の国立公園~中国の視点から(仮)
  孔 怡氏(株式会社天怡 代表)
・海外の国立公園の外国人対応策について(仮)
  高山 傑 氏(株式会社スピリット・オブ・ジャパン・トラベル代表取締役/国際エコツーリズム協会副会長)
・国立公園における外国人による利用の現状と課題(仮)
  トム ジョーンズ氏(明治大学専門職大学院ガバナンス学科 特任准教授)
・議論
  コーディネーター:熊谷 嘉隆 氏(国際教養大学アジア地域研究連携機構 機構長/教授)
  
※プログラムは、諸事情により変更になる場合もございますので、予めご了承ください。
 
<申し込み・お問い合わせ>
 参加ご希望の方は、ご所属、お名前、ご連絡先(電話、Eメール)を添えて、
 事務局宛に5月19日(火)迄にお申し込みください。
 
<事務局>
  公益財団法人日本交通公社 五木田(ごきた)、門脇(かどわき)
  メール:shizen@jtb.or.jp  TEL:03-5255-6125  FAX:03-5255-6077

2015年2月19日木曜日

「国立公園におけるトレイルランニング大会等の取扱い」に思ったこと

 2月17日(火)に新宿御苑で開かれた「国立公園におけるトレイルランニング大会等の取扱いに関する説明会」に参加してきました。会場はほぼ満員,登山関係者,おそらくトレイルラン大会の関係者,愛好者,自然保護団体の方などだったでしょうか。

 最初に内容を理解していただくために,かなり詳細に国立公園制度の説明がなされました。この機会に多くの方に知っていただくよい機会になったかと思います。

 取扱いの内容については,すでに何人かの方がブログ等で紹介されています。私が気になったのは,コース設定に特別保護地区(特保)と第一種特別地域(一特)を原則回避すべきとしている点と,モニタリングの扱いです。コース設定については,

    • コース設定に関する基本的な考え方
      • 国立公園の中でも厳正な保護を図っている特別保護地区及び第1種特別地域、それに準ずる自然環境をもつ場所は、原則回避。
      • ただし、部分的に通過する際に、植生帯への踏み出しや土壌浸食の防止措置が講じられている等により自然環境等への影響が発生しないと考えられる場合には、地域の状況に応じ判断。

となっていますが,これは私が以前より指摘しているように,特保や一特が生物多様性や希少種保全の観点から必ずしもゾーニングされているわけではないという問題を認識しておく必要があります。公園計画の課題を指摘した過去の記事および林業経済学会の論文日本造園学会の論文にその問題点の詳細は書きました。そのため,必ずしも現状の特保や一特だけが基準にできない場合もあり,他にも重要な場所が漏れている可能性があるという視点を持つべきです。ですから,「準ずる」場所も回避対象にするという表現が入っているのだとは思います。また,特保や一特であっても車道(舗装道や林道を含む)が走っている場合もあり,今回の取り扱いの対象とする道はそれらや,公園計画には指定されていない歩道も含むのかという質問をさせていただきました。これらの問題があることは,一般には知られておらず,少なくとも今回の取扱いに関係する方々には知っておいていただきたい課題だと思います。

また,モニタリングについて大会の主催者には,

    • モニタリングの実施
      • トレラン大会等の開催による自然環境等への影響について、把握している情報に応じたモニタリングを大会主催者により実施する。
      • 大会主催者の事前調査により、モニタリング対象及び地点を抽出する。
      • 大会主催者は、事前事後の写真撮影などにより影響を評価する。
    • モニタリングにより、万一環境の改変等が確認された場合は、大会主催者による原状回復を行う。

が,求められます。ただ,これだけでは,主催者の方々がモニタリングをイメージするのは難しいでしょう。実際にどういったモニタリングをすべきかという質問も会場から出ていました。環境や地域の特性によって異なるので,各公園の担当とよく相談して欲しいという回答でしたが,基本的なモニタリングのあり方や方法については,環境省として整理しておくのがよいのではと私は思っています。

 トレラン大会も含まれるアドベンチャーレースにはこれまでのレクリエーション・エコロジーの研究蓄積から,様々な懸念がもたれているのも事実で,オーストラリアでは考えられるインパクトをまとめた論文もまとめられています。これらと開催地の特性,地域の関心事も踏まえ,モニタリング項目を抽出することになるでしょう。ただ,大会のそのものか通常の登山の影響か,または環境の変化によるものかを分離するのは難しいことが考えられます。環境変化や通常のレクリエーション利用に関する長期的モニタリングと,一時的なイベント等の影響に関する短期的モニタリングを組み合わせて実施するのが妥当です。
 長期的モニタリングまで,トレラン大会主催者に担わせるのは無理があります。関係機関,団体,地元で行っていくモニタリングの中に,短期的モニタリングも位置づけて,連携していく体制づくりが必要でしょう。短期的には,走ったり,追い抜いたりすることによって,土壌侵食を加速していないか,路傍の植生を踏みつけていないか,周辺の小動物の生息は影響がなかったかなど,トレイルランニング大会等が顕著に関与したかがモニタリングのポイントになるでしょう。直前と直後に位置情報付きの写真撮影等が考えられますが,大半の影響はコース設定や開催時期の工夫で回避できるはずです。そのためにも,普段から長期的モニタリングが重要となりますが,そういったことが行われ蓄積されている公園はまだそれほど多いわけではないことも認識しておくべきです。
 登山道などのモニタリングの方法については,私も共著者となっている以下の図書が参考になると思いますが,具体的で一般の方にも取り組める方法などについてはもっと情報が必要ですね。そういった情報の収集と普及にも取り組んでいきたいと思います。
 渡辺編著:登山道の保全と管理 (自然公園シリーズ)
 敷田・森重編著:地域資源を守っていかすエコツーリズム 人と自然の共生システム
 

2015年2月7日土曜日

富士山科学研究所公開講座 「自然公園としての富士山-6」

2015年3月1日10:00−16:00
山梨県富士山科学研究所1階ホール

主催:山梨県富士山科学研究所国際シンポジウム2014実行委員会
協力 : 環境省環境研究総合推進費「接続的地域社会構築の 核としての自然地域の評価・計画・管理・合意形成手法 の開発」事業

講演「 米国アディロンダック公園における地域制公園の管理 」
アディロンダックマウンテンクラブ John D. Million
「 北米における地域制公園について 」
東京農工大学大学院農学研究院 土屋俊幸

パネルディスカッション
「富士山世界遺産」 山梨県知事政策局 市川満
「世界遺産 屋久島の管理~現場から見た奇妙な状況 」(有)屋久島野外活動総合センター 小原比呂志
「 小笠原と知床・世界遺産の協働型管理 」環境省自然環境局 生物多様性センター 中山隆治
「 山と渓谷社は、なぜ登山道整備にお金を出しているのか?」(株)山と渓谷社、(公財)日本自然保護協会 神谷有二
「 大雪山国立公園における登山道管理水準と協働型管理 」北海道大学大学院 農学研究院 愛甲哲也

※講演者、題目は変更となる場合があります。予めご了承ください。

日英同時通訳

お問い合せ/申し込み先
山梨県富士山科学研究所国際シンポジウム2014 「自然公園としての富士山-6」 実行委員会事務局
TEL:0555-72-6201 FAX:0555-72-6204 E-mail:horiuchi-m@mfri.pref.yamanashi.jp


2015年1月30日金曜日

「第1回自然保護地域管理シンポジウム〜自然保護地域で地域を元気に」

「第1回自然保護地域管理シンポジウム〜自然保護地域で地域を元気に」開催概要

1)目的: 国立公園をはじめとする自然保護地域は,多様な自然生態系の保護だけではなく,そこを取り巻く地域に対して様々な社会的・経済的影響を及ぼすことを通じて、持続的な地域社会を構築する核としても機能することが求められています。そのためには,地域における観光や自然保護の役割を再確認し,関係する行政機関,地域で活動するNGO・NPO、地域に居住し・働き・学ぶ人々の協働によって自然保護地域を管理することが必要となっています。
 本シンポジウムでは,協働による自然保護地域の管理に取り組んでいる先進地域の事例報告をいただき,今後の多様な関係者の協働・合意形成のあり方とそこでの地域に根ざした組織・仕組みの課題について議論をしていきたいと考えています。なお,このシンポジウムは,環境省の環境研究総合推進費により,「国民との科学・技術対話」として公開で行います。

2)主催:環境省環境研究総合推進費「持続的地域社会構築の核としての自然保護地域の評価・計画・管理・合意形成手法の開発」(研究代表者:土屋俊幸(東京農工大学))
3)協賛:林業経済学会(第34回研究会Box)
4)後援:世界保護地域委員会日本委員会、自然公園研究会

5)会場       東京農工大学府中キャンパス 第1講義棟2階24番教室
6)日程       2015年2月21日(土)10:00~15:00
7)プログラム 総合司会 岩手大学農学部 准教授   山本清龍
  開催挨拶 東京農工大学大学院農学研究院 教授   土屋俊幸
  報告1「環白山保護利用管理協会の活動の経緯と現状」
       環白山保護利用管理協会    事務局長 島 由治
  報告2「綾ユネスコ・エコパークの官民協働の取り組み」
       綾町    エコパークまちづくり推進監 石田達也
  報告3「マレーシア・サバ州の国立公園管理運営における協働」
       国際教養大学         教授   熊谷嘉隆
  総合討論「自然保護地域における協働のあり方」 司会:土屋俊幸
  登壇者 環白山保護利用管理協会           事務局長  島 由治
      綾町   エコパークまちづくり推進監  石田達也
      国際教養大学                             教授    熊谷嘉隆
      公益財団法人日本交通公社         理事・部長 寺崎竜雄
     閉会挨拶  環境省国立公園課             課長補佐  長田 啓

8)参加費・申し込み         無料です。事前の申し込みも不要です。直接会場へお越し下さい。
9)昼食について   大学キャンパス内の食堂は営業しておりません。最寄りのコンビニエンスストア、飲食店を利用されるか、あらかじめご準備下さい。

問合せ先     東京農工大学大学院農学研究院 土屋俊幸
〒183-0054 東京都府中市幸町3-5-8 電話:(042)367-5743 E-mail: np4_1407@cc.tuat.ac.jp

(農工大府中キャンパスへのアクセス)
http://www.tuat.ac.jp/access/

2014年10月9日木曜日

餌付けに関する市民フォーラムが開催されます

市民フォーラム
野生動物への餌やりについて考えてみよう

日時:平成26年11月9日(日)13:00-15:45
会場:札幌市円山動物園・動物科学館ホール

定員:80名 
参加申し込み:FeedingWG 事務局
       (メール) office@feeding2.kapiu.org
             (電話) 011-737-7841(エコ・ネットワーク事務所)

参加費:フォーラムへの参加は無料ですが、円山動物園の入園料が必要です。
     大人(高校生以上)600円、小人(中学生以下)無料
     札幌市内に居住の65歳以上の方は無料。

タイムテーブル:
 (開場 12:30)
 13:00-13:25
  「野生動物への餌やり行為とは?」
   長谷川理(エコ・ネットワーク)
 13:25-13:50
  「ハクチョウやカモへの餌やり〜現状と問題点〜」
   牛山克巳(宮島沼水鳥・湿地センター)
 13:50-14:15
  「ヒグマ餌付けの危険性:Fed bear is dead bear」
   間野勉((地独)北海道立総合研究機構)
 (休憩 5分)
 14:20-14:45
  「札幌の自然歩道の魅力と課題〜餌付けに対する利用者の意識」
   愛甲哲也(北海道大学大学院農学研究院)
 14:45-15:10
  「動物園の展示で伝えたいこと」
   柴田千賀子(札幌市円山動物園)
 15:10-15:40 パネルディスカッション
 (終了 15:45)

主催:Feeding WG
共催:札幌市円山動物園、エコ・ネットワーク
* 北海道地域づくり総合交付金と北海道新聞野生生物基金の助成を受けています。

2014年6月13日金曜日

山レポ「お宿帳」 大雪山の利用状況お知らせフォーム

大雪山を登山される方へ
小屋と野営地の調査(山レポ「お宿帳」)にご協力ください

 大雪山国立公園には,8つの避難小屋,12の野営指定地があります。登山シーズンに管理人が常駐するのは,黒岳と白雲岳で,その他の場所では,何人くらいの方が利用されているかという基礎的な情報がない状況です。利用実態のデータは,今後の大雪山の管理と,避難小屋と野営指定地のあり方を検討する上で欠かせません。ただし,調査員を配置することなどは,大きな経費も予想されます。
 つきましては,大雪山を登山されるみなさまに,通過および宿泊された避難小屋・野営指定地・その他の場所での,宿泊者数およびテント数の記録に,ご協力をお願いするものです。
環境省北海道地方環境事務所
北海道大学大学院農学研究院

・山行の際に,以下の場所に宿泊または通過された場合に,避難小屋は人数,野営地はテント数を記録してください。
避難小屋:黒岳石室、旭岳石室(姿見)、白雲岳、忠別岳、ヒサゴ沼、美瑛富士、十勝岳、上ホロカメットク
野営地:黒岳、裏旭、白雲岳、忠別岳、ヒサゴ沼、沼ノ原大沼、沼ノ原分岐、五色の水場、トムラウシ北沼、トムラウシ南沼、三川台、扇沼山、双子沼、美瑛富士、上ホロカメットク、ブヨ沼、小天狗のコル

・記録された結果を,以下のインターネットサイトにアクセスし,投稿して下さい。


・とりまとめた調査結果は,大雪山の管理に生かすとともに,ご協力いただいたみなさまにも報告いたします。

・同時に現地での意識調査も予定しております。ご協力よろしくお願いします。

調査実施・連絡先
北海道大学大学院農学研究院 准教授 愛甲哲也
060−8589 札幌市北区北9条西9丁目
電話&FAX 011−706−2452

電子メール tetsu@res.agr.hokudai.ac.jp

2014年3月25日火曜日

林業経済研究2014年春季大会論文「国立公園の計画と管理の課題 ―大雪山国立公園を事例とした検証―」

3月30日の林業経済学会のシンポジウムで,私が報告する内容が論文として林業経済研究に掲載されました。まだネット上では公開されておりませんが,抄録のみ,御覧ください。

愛甲哲也 (2014) 国立公園の計画と管理の課題 ―大雪山国立公園を事例とした検証―, 林業経済研究 60(1), 14-21

抄録

わが国の国立公園は,生物多様性の保全や過剰利用対策,協働型運営体制への取り組みなど大きな転換点を迎えている。大雪山国立公園の山岳地における登山道や他の施設の管理を事例に,国立公園の計画と管理における課題を検証した。その結果,大雪山の登山道管理水準の認知度は低く,社会科学的データは不足し,施設の整備水準やリスク管理への対応が不足し,管理運営の人材とコスト,利用者による費用負担の検討が不十分なことが明らかとなった。公園計画の策定プロセスがこれらの課題に対応できるようになっておらず,利用の面からのゾーニングや収容力の概念を取り入れた改定が必要だと考えられた。さらに,公園計画における地種区分は土地所有者の意向を強く反映してきたため,生物多様性の保全や過剰利用への対応が難しく,最新のデータに基づく見直しが急務であり,社会科学に根ざしたモニタリングや人材育成が求められることを指摘した。