2019年3月18日月曜日

大雪山ヒサゴ沼避難小屋の改修に際して

大雪山の縦走路上にあるヒサゴ沼避難小屋の改修と、それに伴う今夏の小屋の閉鎖と、野営指定地の使用不可の可能性が広報されている。(北海道十勝総合振興局のHP)

長年、老朽化が著しかったので、改修が決まったのは喜ばしいことだが、すでにツアーや個人の山行の計画を立ててしまっているこの時期になってからの発表のため、速やかな広報が課題である。さらに、実は、様々な問題もはらんでおり、このような場当たり的な施設整備は決して喜ばしいと諸手を挙げて喜べない。

ヒサゴ沼の避難小屋が閉鎖になると、忠別避難小屋と野営指定地、南沼野営指定地、野営指定地以外で野営がみられる北沼、三川台にも影響が出そう。ただでさえ、大きな遭難事故も起こった場所、忠別避難小屋も老朽化、南沼はトイレがないため携帯トイレの普及と拡散したトイレ道の修復の途上。

そのため、お役所目線の工事の内容の周知ではなく、トムラウシ山登山や大雪山の縦走を計画している登山者に今夏の計画の再考をうったえるメッセージを発信するべきだ。大雪山の施設が抱えている様々な問題を考えてもらうきっかけにもなるはず。なぜ外壁がボロボロになるまで放置されたのか。縦走路上の主要施設の修繕や、施設の更新、野営地指定地・トイレの改善がすすまないのか。

昨日、関係者で今後の広報について意見交換しましたが、問題点として議論されていないことがある。そもそもヒサゴ沼に避難小屋とトイレが必要なのか、将来にわたって縦走路上にある避難小屋やトイレの更新はできるのか、それらの施設に対して、管理者はライフサイクルコストの試算や長寿命化計画(修繕計画)を立てているのか、など。予算がついたから工事します、予算がないので対応できません、このような場当たり的な施設管理では、日本の国立公園の未来は暗い。

その影響をこうむるのは、登山者、利用者、国民だ。

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