2019年8月14日水曜日

山と自分とのつりあいとは

2019年の山の日は、大雪山国立公園に新しくオープンした旭岳ビジターセンターでの「大雪山の価値を活かすフォーラム」でお話しさせていただきました。

東川町での連続のフォーラムでお話しさせていただくのも、おなじみになってきていますが、今回は改めて、私の研究や活動の原点になっている、登山の安全と施設整備水準、山のトイレ、市民協働による登山道管理についてお話しさせていただきました。

フォーラムの主役は、アウトドアスタイル・クリエイターの四角友里さん。山スカートを世に広め、山の日アンバサダーとしても幅広く活躍されている方です。はじめてお会いしましたが、事前に著書を読ませていただき、あらためてそのお考えに賛同することも多く、(自分的には)楽しくトークショーをさせていただきました。

お話の中や、著書には、「一歩ずつ」「永遠の初心者」「へっぴり登山思考」「山を味あうために心の余裕をつくる」など、かなり謙虚なお言葉がならびます。日本中だけでなく、海外でも登山・トレッキングを数多くされていて、とにかく楽しそうに、余裕をもって、無理せずに一歩ずつ歩いているというお話は、とても示唆に富むものでした。つい、自分の力量や体力、環境を考えずに、無理して登山することもあります。挑戦は必要ですが、無謀な登山が遭難の原因にもなります。各地で広報されている山のグレーディングにもつながる考え方で、その実践者でもあるでしょう。笑顔で、優しい語り口ながら、非常に重要なお話をしていただきました。こういったことを、楽しく前向きに伝えられる人はいないなと、思いました。

私は、登山者に自分にあったルートを選んでもらい、それにあわせて管理水準を変えるという大雪山グレードの考え方とその運用について、時間を割いてお話しました。四角さんのお話と共通するのは、山と登山者のつりあい。環境、難易度、アクセス、整備水準などを考慮して、グレードを参考に、登山者のみなさまには安全に大雪山登山を楽しんでほしいと改めて来場者のみなさまと共有する機会になりました。



旭岳ビジターセンターのHPより

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