2012年1月6日金曜日

最近の山岳トイレを巡る動き

みなさま

新しい年を迎えました。いかがおすごしでしょうか?
昨年はフォーラムやトイレデーなど当会の活動にご協力いただき、ありがとうございました。今年もよろしくお願いします。

今年のフォーラムは、3月10日(土)を予定しています。くわしくは改めてご案内しますが、天気良くても山に行かずにフォーラムにお集まりください。代表が一番あぶないですが、フォーラム会場にしばりつけておこうと思います。

 さて、最近の山岳トイレの動きについて、少し報告します。例の仕分けのながれで、山小屋トイレの補助金が環境省内の行政レビューで廃止と判定されたことは以前もMLでお伝えしていたかと思います。平成22年度までこの事業で107箇所のトイレの整備が進んだのですが、登山者からの負担、公共性の定義、入山規制の強化などが不十分と判断されてしまいました。
http://www.env.go.jp/park/support/mr.html
http://yamakei-online.com/magazine/blog_detail.php?id=1015

 その判定に対して、特に山岳関係者から多くの反論もありました。東京では反対する集会なども開かれました。また、環境省の担当課でも「山岳地域環境保全対策等検討会」をたちあげ検討を行いました。山岳トイレは公益的な機能をもっており、山小屋経営者などが単独で整備するのは難しく、入山規制や受益者負担の導入は時間を要するという意見などがまとめられました。下記のリンク先で会議資料や議事要旨をみることができます。
http://www.env.go.jp/nature/np/conf_sangaku/index.html

 その検討を受けて、今年度は新たに「山岳環境保全対策事業」として第三者による審査や、地域協議会を助成の受け皿にすること、受益者負担を導入することなどの変更を行いました。23年度には1億7500万円の予算がつきましたが、来年度予算ではそれも4割減となる予定です。
http://www.epohok.jp/modules/bulletin3/index.php?page=article&storyid=1590
http://www.shinmai.co.jp/news/20111225/KT111224ATI090006000.html

 震災後の財政も逼迫している状況ですのでやむを得ない部分もありますが、山小屋や山岳トイレの公益的な機能が政府や財務省には理解されていないのではと感じています。環境省では年末に総合的山岳環境保全対策推進事業に係る検討会をたちあげて、登山道やトイレの整備水準や管理体制について、全国レベルのガイドラインを検討することになりました。これは、登山道整備が過剰であると批判されたり、最近の遭難や事故の増加への対応、地域の団体やボランティアも参画した協働型の国立公園管理などとも関連して、メリハリのある山岳地の施設整備をしていこうというものです。12月27日に1回目の会議が開かれ、私も参加して、大雪山の登山道管理水準について報告してきました。これから2年かけて、登山道やトイレの整備のあり方について方針をつくっていくことになります。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14623

 上記の検討会の内容は、おいおいMLなどでご報告し、フォーラムでも紹介できればと考えています。

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