2020年5月17日日曜日

妄想:アフターコロナの公園緑地(編集途中)

 39県では緊急事態宣言が解除され、北海道でもまだまだ油断ならないとは言え、感染者数は徐々に減りつつある。緊急事態宣言が解除されても、多くの自治体では県をまたいで移動しないように、と自粛要請をしており、今後の観光や登山への影響は計り知れない。まだ考えがまとまっていないが、どのような変化が起きそうか、妄想してみた。あくまでも個人的な考えですので、ご理解ください。ご意見、コメントをいただけると助かります。

観光客・登山者の行動の変化
 観光客を含め、登山者は、山岳医療救助機構が行ったアンケート調査の結果なども踏まえると、近距離、マイカー移動、テント利用、マイナールート利用などが増加する。平日利用も増えて分散して欲しいが、雇用状況は以前と激変はしないので変化は期待できない。学校の夏休みの短縮により夏休み利用は減るだろうが、逆に短くなった夏休み、お盆前後での集中が懸念される。
 これまでよりも、より低密度な空間が望まれるようになる可能性がある。利用規制を検討している地域には追い風か。逆に対応が遅れるところは敬遠される可能性がある。

登山者の行動・意識変化による影響
 以上の変化から、都市近郊の公園、低山の混雑、駐車場の混雑・不足、野営地の混雑・不足、マイナールートへの分散が考えられる。それにより、これまでになかった場所で路上駐車、野営地周辺の踏みつけ、し尿の散乱、マイナールートでの遭難・救助要請の増加が起こるかもしれない。大雪山では、トムラウシ、十勝連峰、愛山渓温泉、東大雪などは要注意か。
 需要は減少しない。特に外出自粛の解除(公式に解除と言える時点がいつか不明)のあとで、在宅していた人々の観光・登山の欲求を満たそうと爆発的に利用が増える場所も考えられる。継続した一定の利用よりも、短時間の集中的な利用の方が、自然環境へのインパクトは大きい。高山帯、湿原、希少動植物の生息・生育地では特に注意が必要。

管理者の対応
 国立公園の関連施設の管理者は、ビジターセンター、ロープウェイなど交通機関、宿泊、避難小屋、野営地での三密、除菌対策、感染症発症時の対応・連絡体制の整備などが求められる。無人の避難小屋・野営地での利用状況をどう把握するか、感染症発症時に誰が現地に赴き対応するのか、警察・救急も含めて、準備しておく必要がある。
 避難小屋・野営地についても、予約システムの構築が望ましいが、急には無理だろう。管理者の対応が間に合わないのであれば、今年は避難小屋は全て休止(緊急時のみ受け入れる)、野営地も基本は利用して欲しくないというメッセージを早めに発信するべきか。
 登山者には、上記の管理状況の対応方針、登山者の行動変化を踏まえて、留意すべきことを、感染症対策も含めて、早めに発信するべき。大人数のガイドツアーも休止を要請するべきか。避難小屋をあてにしたツアーには特に配慮が必要。
 人の存在が希薄になったことによって野生動物の活動が活発化しているとの報道もあるが、この短期間でそのようなことが起きるのか、検証が必要。特に、ヒグマの行動については、これまで以上に情報収集と、登山者への情報発信、注意喚起に努めるべき。

住宅地近隣の公園緑地の再認識
 外出自粛・在宅勤務や、郊外への移動の抑制によって、自宅周辺の公園緑地を再認識した人も多かったはず。意外と良い場所があったり、長年にわたりストックされてきた都市公園の存在意義が発揮されたはず。その評価も必要。
 ただし、最近の財政難などで都市公園の維持管理費は低下傾向。最近では、公園の廃止、統合、機能分担(遊具などを小規模な公園から撤去し、中心となる公園に集中させること)が各自治体で進められている。完全に、今回の事態に公園緑地が果たすべき役割からは逆行しており、再考に繋がるかどうか。日常的に、近所で、ソーシャルディスタンスを保って運動、レクリエーションができる場所が求められている。まだまだ公園は少ない。
 住宅地内の公園に子どもが集まっていることが槍玉に挙げられ、そのようなご苦労様な自粛ポリスによる通報や、自治体の余計な過剰な対応も多かったとおもう。少なくとも公園ではクラスターは発生していないし、市中感染の経路や場所が特定され、それが公園だったというエビデンスはない。通常の平日は学校に行っていて、子どもたちがいない時間に公園にいるから不自然に見えたというだけでもあり、近隣のスーパーマーケットやマスク欲しさに人が並ぶドラッグストアの前と比べて危険なレベルの高密度とでも言えるのだろうか?

モニタリングの重要性
 そもそも現在が、以前が、コロナ後が高密度なのか、低密度なのか、答えることが難しい公園、施設が多すぎる。普段から、ちゃんとモニタリングしてこなかったから。この際、ちゃんとやりましょう。ワーケーションは、後からでも良いです。今後は、センサーも使用して、密度へのアラートなどが出る仕組みも考えなければならないかもしれない。

参考資料
山岳医療救助機構:登山再開に向けた「アンケート結果」と「基本知識(計画と準備編)」資料の公開

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